
王様の耳はロバの耳ーーーーー!
イソップ寓話「王様の耳はロバの耳」
綴っていきます。
王様の耳と禁句
むかーしむかし
ある所に王様がいました。気立てが優しく、国民からも慕われていた王様。だけど、人には言えない秘密がありました。
「王様の耳はロバの耳」だったのです。
その為王様は常に帽子を被って耳のことを隠していました。
しかし、どうしても隠せない相手がいます。「理髪師」です。
勿論王様は念を押して口止めしました。
「良いか、誰にも話すでないぞ」
「はい」
だけど、秘密を胸に抱え込むのは堪える物です。
ついに、理髪師はバタッと倒れてしまいます。お医者さんからはこう言われました。
「秘密があるなら其れを吐き出してスッキリした方がいい」
成程、それがいい。理髪師はポンと手を叩き、ある場所に向かいました。
井戸です。
(ここならどれだけデカい声を出しても大丈夫な筈)
理髪師はすうっと息を吸って、井戸に向かって叫びました!
王様の耳はロバの耳ーーーーー!
王様の耳はロバの耳ーーーーー!
王様の耳はロバの耳ーーーーー!
王様の耳はロバの耳ーーーーー!
王様の耳はロバの耳ーーーーー!
ふぅ…すっきり。誰にも言えなかった真実を打ち明けて満足した理髪師は帰っていきました。
誰にも聞こえていない、誰にも聞こえていない、と、胸に言い聞かせて。
だが、
聞こえていた。
この井戸は国中の井戸と繋がっていたのです。
木霊する「王様の耳はロバの耳」
( ゚д゚)
国民達は困った様な、可笑しい様な、なんとも言えない顔をしてこの声を聞いてました。
その噂は勿論国王様に伝わりました。
「どうしたらいいのだ…」頭を抱える王様。指先に伝わる感触に嫌気がさしました。
(なぜ、こんな物があるのか。いっそ引き千切ってやろうか)
国王様は気持ちは交錯しました____
が、
(最早ここまで、皆を騙していた事を詫びよう)
国王様は腹を括りました。
国民達の前に姿を現した国王様。
「こ、国王様…💦」
国民達はなんて反応したらいいのか、困惑しました。
「みな、すまない。私は愛すべき国民隊を騙していた。この愚鈍な王をどうか許して欲しい」
_____国王様はペコりと頭を下げて、帽子を取りました、すると、ロバの耳がピンと立っていました。一瞬の静寂の後_____一人の子供が声を上げました。
「かわいいっ」
「えっ」
意外でした。そんな事王様は一度も思ったことなどなかった。
すると、どっと湧き立ち、国民達は王様に対して言いました
「国王様ー!その耳似合ってますよーー‼︎」
(なんと)
国王様はつい笑ってこう言いました。
「この耳があれば、国民達の声がよく聞こえるな」
教訓
「誰にも聞こえないと思っていても、噂は広まる」
そして、「秘密を打ち明けると良い事もある」
言ってはいけない秘密も言うとスッキリするかも…?!