ギリシャに伝わる昔話
「命のランプ」を綴っていきます
あなたはだあれ?
むかしむかしのおはなし。
ヒツジ飼いが山小屋に住んでいました。
トントンと戸を叩く音が聞こえました。
「誰だね」
戸を開けると青白い女が立っていました。
「私は“病気”です。ヒツジを一匹ください。くれなければ、あなたは病気になります」
(これは、色んな意味で病気だな)ヒツジ飼いは怒りました
「ふざけるな❗️お前にヒツジはやれない。第一ワシを見ろ、大丈夫であろう‼︎」
女は無言で立ち去った。
其れから暫くして、ヒツジ飼いが眠りにつこうとした時に、音が聞こえました。
トントン_____
「お次は誰だ」
戸を開けると
さっきよりも痩せた女が立っていました。
「私は災難です。ヒツジをくれなければあなたに災難が降りかかります」
ヒツジ飼いは首を振った
「ワシは注意深いから、災難など大丈夫じゃ」
バタンッ
_____次にやってきたのは骸骨のような女でした
「私は不幸です。良いヒツジをください。くれなければあなたを連れて行きます」
男は頭を抱えた。
_「うーん。不幸は自分ではどうしようもないからなぁ。相分かった、くれてやる」
男は子ヒツジを差し出しました。
「では、ついて来て下さい」
?男は不審に思いながらもついていくことに。
ついた先は、古びた古城だった。
「これが私達の住処です」
(随分良い所に住んでるじゃないかっ、とヒツジ飼いは思ったことでしょう)
「これは何だね?」
数えれない程のランプが怪しく揺らめいていました。
「其れは命のランプです。そのランプが消える時、その人も死ぬ」
男はゾッとしました。
「ワシのランプはどれだ?」
「あれです」
ヒツジ飼いのランプは油がたっぷりと入っていて、火も勢いよく燃えています。
「…取り敢えずは大丈夫そうだ」
ホッと一安心したのも束の間、直ぐ隣には今にも消えそうなランプがありました。
「気の毒に。あれは長くはないだろう。」
女は微笑った
「あれは、あなたの弟のランプですよ」
「えっ!!」
ヒツジ飼いと弟は不仲だったが、いざ死ぬとなると話が違います。
「おい、どうにかしてくれ。なんならワシの油をあいつに分けてやってもいい」
「残念ながら、其れは出来ません。油は後で入れたり、出したり出来ませんもの」
「なんだとっ、嘘をつくなっ! ワシはいま“不幸”じゃないか、子ヒツジはお前にはやれん!帰る!!!!」
ヒツジ飼いは子ヒツジを抱きかかえて、怒って帰りました。
「残念」
さよならの鐘
次の日、ヒツジ飼いが目を覚ますと教会の鐘が鳴り響いていました。
「誰が亡くなったのだ?」
「えっ、其れは…あなたの弟さんですよ」
_____
ヒツジ飼いは理解しました。昨日の出来事が嘘では無かったことを。
教訓?
結果的に“不幸”になったヒツジ飼い。
子ヒツジを差し出していれば、弟は助かったのだろうか…?
正直この話はどこか、薄気味悪い。
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