
グリム童話「忠臣ヨハネス」のご紹介!
あらすじ
ある王様の下に「ヨハネス」という忠臣が仕えていました。王にとってヨハネスの信頼は頗る篤く、「息子が死んだら城の中を全て見せて、教育させてやってくれ。ただし金の城の女王の絵が飾ってある奥の部屋には絶対に行かせるな。一目惚れでもしてもらったら困る」という遺言を残していました。
こうして、新たな王に英才教育を施したヨハネス。しかし、好奇心旺盛な若き王ヨハネスの目を盗んで奥の部屋に行ってしまいます。
「なんと美しい」案の定一目惚れ。若き王は「この女王に会いに行く」と、言って聞かず、金銀財宝を積んで船を出しました。ヨハネスも渋々同行しました。紆余曲折を経て、金のお城に辿り着き、若き王は商人のフリをして女王を攫ってしまいます。
「やめて、穢らわしい」
「これを見てもかっ?!」と、若い王は王冠を被り王である事を証明しました。これには女王も納得した様子で結婚することになりました。
そこにヨハネスの所に「カラス」が現れて、三つの予言を残していきました。いずれも難題で、誰かが身代わりにならなければ二人は助からない物でした。
ヨハネスはその役目を自分が引き受けることに決めました。まさに“忠臣”です。
しかし、この行動が「気が狂った」と判断されてヨハネスは牢屋にぶち込まれて死刑判決を受けます。
死刑の日にヨハネスは全てを王を守るためだったのだと告白します。王はヨハネスの忠義に感激して恩赦を与えようとしたところ、ヨハネスは石になってしまいました。
「これほどの忠臣を失うとは!」王はヨハネスの像を寝室に置いて毎晩嘆き悲しみました。
それから月日が経ち、王と王妃には双子が生まれました。が、気分は晴れず、「ヨハネスが生き返ってくれたら」と毎日泣いています。
すると、石から声が聞こえてきました_____
「貴方の最も愛する者を殺せば、ヨハネスは生き返る」
その言葉を聞いた王は双子の首をはねて、血をヨハネスに捧げました。
すると、石がボロボロと落ち、ヨハネスは生き返りました。ついでに双子も首がくっついて元どおり。
こうして、みんなが幸せに暮らしました。
感想
王のためなら自分の命をも捧げるヨハネスの忠義には感服されられます。
だけど、それ以上にヨハネスを生き返らせるために我が子を犠牲にした王のヨハネスに対する信頼も篤い…😭
最終的にハッピーエンドだったから良かったものの、もしヨハネスが生き返らなかったら…