【今昔物語集】これぞ武士道!「源宛平良文合戦語」

今昔物語集25巻第三話「源宛平良文合戦語」のご紹介!

これぞ武士道

今は昔、東の国に「源宛」と「平良文」という二人に優れた武士がいました。

この二人はお互いが武功を争うあまり、次第に仲が険悪に。

良文に従う郎等が「宛はあなた(良文)を馬鹿にしていますよ!」と、けしかけたせいで、良文は激怒。口喧嘩の末に二人は戦いにまで発展。

双方、軍を引き連れて、向かい合いました。

宛と良文は「兵を死なす必要はあるまい。大将同士で一騎討ちで決着をつける」と、合意しました。

宛も良文も優れた武士でありましたから、一進一退の攻防が続きます。戦いのうちに、互いの強さを認め合い始めた二人。

良文が宛の身体を目掛けて矢を放ち、宛が太刀の股寄で受け、お返しに宛が良文の身体を目掛けて矢を放ち、良文は腰宛で受けました。

「いい腕だな!」

「貴殿も中々のお手前」

「…どうだっ、ここでどちらかが死ぬのは惜しいと思わんか。俺たちは仇敵ではあるまい、腕を競い合ったまでだ」

「うむ、こちらもそう思う。互いの腕は分かった、こちらは軍を引く」

「それでこそ大丈夫だ」と、言って互いに軍を返していきました。

それから二人は仲直りをして、酒を酌み交わす仲になりました。

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昔の武人というのはこのようでありました。

感想

今昔物語集の中でも、大好きな話です( ̄∇ ̄)

「昔の武士はこの様であった」

今昔物語集は作者不詳ですが、作者もこの話が好きだったんだろうなー、という事が窺えます

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