宇治拾遺物語一巻八話
凄腕の占い師のお話「易の占ひして金を取り出す事」のご紹介。
あらすじ
今晩泊まる宿屋を探していたある男と従者がオンボロだけど大きな屋敷を見つけて「一晩泊めてください」と頼みました。
「はい、喜んで」と家の方から女の声がして一晩泊めてもらう事に。
大きな屋敷だったが人の気配は無く、女、只一人しかいませんでした。
翌朝、家を出ようとすると、女が「出ていってはなりません。貴方は私の金千両を借りました。早くお返しなさい」と言って突っ撥ねたのです。
(詐欺だ、言い掛かりだ!)
従者は今にも女に殴りかかりそうでしたが、男がそれを止めて、女に言いました、
「貴方の親御さんは易(占い)をしていましたね?」
「さぁ、どうでしょう。只貴方と同じような事はやっていましたね」
「矢張りか…。して、どうして私が貴方に借金をしていると?」
「…白状いたしましょう。 私の父は易を生業として富を築き上げました。この家も父の遺産です。
父は最期に、『◯年後の◯月◯日に私に千両を借りたものが現れる。金が尽きたならばその人に返して貰いなさい』と言ったのです。
…その日が今日です」
(成程 そういうことか)
男は「確かに、お金の件は本当です。一寸ついて来てください」と言って女を家の柱の前に連れて行き、「叩いてみてください」と催促。
コンコンと、中が空洞のような音がして気になって覗いてみるとお金が沢山入っていたのです。
男は言いました、
「私の占いなど貴方の父に比べれば遠く及びませんが、近くにある金の気くらいは判ります。少しつづお遣いください。」
感想
最後の最後で、男の正体が分かるお話😅
いやはや、男も凄いですが、ピタリと当てる占い師の父も凄い🤣
占い(易)も舐めたもんじゃないですね🙏