
宇治拾遺物語「腰折雀」のご紹介!
(四十八「雀報恩の事」巻三の十六)
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あらすじ
昔、ある所に心の優しいお婆さんがいました。
ある日、子供に石を投げられて傷だらけの雀が庭で倒れていました。
「おぉ、可哀想に」お婆さんは雀を拾い上げて、水や米をやって介抱しました。その甲斐あって、暫くすると傷も治り、飛べるまで回復しました。
「達者でな」雀はお婆さんの元から飛び立ちました。
それから暫くたったある日、雀がやってきて瓢箪の種を置いて、お婆さんに一鳴きして飛んでいきました。
「まぁ、くれるのかい。有難いねえ」
お婆さんがこの瓢箪の種を庭に埋めてみると、芽が成長して見事な木になり、実が取りきれんほど沢山。瓢箪の中には沢山のお米が入っていました。心の優しいお婆さんは近所の人にもお米を分け与えて、とても裕福になりました。情けは人の為ならず、いや、これは雀か。
それを見ていた、強欲な隣の婆さん。
自分もやってみようと思って、雀に石を投げつけ、無理矢理介抱しました。
「さぁ、たんとお礼をもってくるんだよ」回復した雀をポイと放しました。 あっ…。
しばらくして、雀は何かの種を置いていきました。隣の婆さんがウキウキしながら埋めると芽が成長して瓢箪がなりました。だけど、瓢箪の中は空っぽ。
「きえいっ、あの雀めっ、恩知らずが‼︎」
婆さんが瓢箪を叩き割ると、中にはウジ虫やら毒虫やらがウジャウジャ。「ギョエーーーー!!」
虫たちは婆さんを襲い、殺してしまいました。
感想
「良い事をした者には良い事が、悪い事をした者には悪い事が」
典型的な因果応報譚です!
昔話で有名な「舌切り雀」の原点の一つだと考えられています。
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