
「唐に卒塔婆血が付く事」のご紹介!
宇治拾遺物語30話
信じるものは救われる
昔、唐土にとても高い山がありました。その山の頂に大きな卒塔婆が立っていました。この山を雨の日も雪の日も欠かさずに、毎日登っていたお婆さんがいました。
「婆さん、なぜ登っているのだい」と、村人が尋ねると「私の御先祖様からの言い伝えなんだけど、この山の頂にある卒塔婆に血が付くと、山が崩れて海になってしまうの。それが怖くて毎日確認してるんだよ」と、答えました。
(迷信じみたことを…)村人達は内心このお婆さんを馬鹿にしていました。
「よしっ、いっちょあの婆さんをビックリさせてやろう」と、村の若者は冷やかしで自分の血を卒塔婆に付けました。
翌朝、それを見たお婆さんは急いで山を降りてきました。
「早く逃げるんじゃあ!卒塔婆に血がついた、山が崩れて海になるぞ!」と、必死に叫びましたが聞く耳を持たない人は多かったのです。お婆さんは家族と一緒に急いで避難しました。
_____その時、空が真っ暗大きな地響きと共に山が崩れ去りました。
そうして、深い海になってしまいました。
「信じた者は助かったが、嘲笑った者は全員死んだ、なんとも浅ましいことかな」
感想
御先祖様からの言い伝えは本当だったのです!
この信じる者(身内以外)以外は海に流されたというエピソードは「ノアの方舟」を彷彿とさせますね。
教訓(?)としては、「古くからの言い伝えは迷信の一言では片付けられない」でしょうか🤔
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