
宇治拾遺物語第3巻6話
「絵仏師良秀家の焼くるを見て悦ぶ事」のご紹介!
あらすじ
今は昔、良秀という仏の絵を描く絵師がいました。
ある日、隣の家から出火して、燃え移り、風に煽られてたちまち大火になりました。
良秀は妻子も置いて、表に飛び出して、正面に立って燃え行く我が家をまじまじと見つめました。
人々が見舞いに来て、「大丈夫ですか?」と心配したが、良秀は動揺する素振りもなく、頷いて、時たま笑って言いました、
「いやはや、儲け物だ」
( ゚д゚)
人々はポカーンとなって良秀の言うことを聞きました。
「ワシは今まで“地獄”と云う物を観ずに絵を描いてきたが、今見る事ができた。
これで完璧な絵を描く事ができる。家の100軒、1000軒は建つ程の儲けを得る事が出来ようぞ。
どうして笑いを抑えられようか‼︎」
それを聞いていた人々は呆れるような、感心するような、不思議な感情で良秀の事を笑いました。
それから良秀の絵は大変な評判になり、称賛を受けました。
感想
「真実」など存在しない、あるのは「解釈」のみである
ニーチェ
これぞ芸術家魂(?)!どんな状況でもそこから「活路」を見出す事が出来るのです‼︎
と、言ってもこの良秀は少し行き過ぎだと思いますが😅(妻子は無事だったのかな…?)
この酔狂な男良秀は芥川龍之介の「地獄変」でも取り上げられています。
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