【故事】部下の失態は免じてやれ!「絶纓の会」【楚荘王】

これぞ君主の器!!

故事「絶纓の会」のご紹介!

出典

前漢時代に書かれた説話集「説苑」

許す強さ

楚の荘王が臣下を集めて、武功を労う宴を開いていた時のこと、突然灯りが消えて真っ暗になった。

その時、荘王の寵姫が誰かに着物を引っ張られた。寵姫は直ぐに荘王に報告した。

「誰かが、私の着物を引っ張りました。きっと如何わしい事をしようとしたに違いありません。私はその者の冠の紐を切って、持っています」

そう告げると、寵姫は従者に対して、「さぁ、はやく灯りを点けてください。不埒者を裁くのです」と、言った。

従者が灯りを点けようとした時、荘王は従者の手を止めた。
王は笑いながら、

「今日は無礼講だ。物騒な話は止めにしようじゃないか! 皆、冠の紐を切ってくれ! 宴は始まったばかりだぞ!」

荘王は臣下全員の冠の紐を切らせてから、灯りを点けた。そうして、楽しい宴は朝まで続いた。

二年後、楚と晋の間に戦いが起こった。その時に一人の臣下が獅子奮迅の働きで見事に晋軍を撃破した。
荘王がそれを賞して、「なぜそこまで働いてくれたのだ」と、聞くとその臣下は涙ぐみながら答えた。

「私は一度死んだ人間でございます。私は二年前の宴の時に酔って無礼を働いた者です。 本来であれば、死罪になる私を王は助けてくださいました。

その御恩をほんの少しでもお返し出来ればと死ぬ気で戦ったのです」

そう言い終わると、荘王はその臣下の肩をポンと叩き、「これからもよろしく頼むぞ」と言った。

君主の器

荘王は臣下の罪を許して「忠節」を得たのです!まさに理想の君主!

春秋時代を代表する名君「荘王」の器が分かる説話です🤔

最新情報をチェックしよう!