
普段何気なく使っている言葉「完璧」
この言葉の語源を知っていますか?
今回は“完璧”という言葉の由来を紹介します!
完璧にね!
和氏の璧
場所は中国、時は戦国時代
趙は和氏の璧という宝物を保有していた。「天下に二つとない名品」であった。
お隣の強国「秦」の王は和氏の璧を欲しがった。
「和氏の璧を譲ってくれたら、城を15あげる」
というもの。
条件としては悪くはない。寧ろ好条件とも言える。
ただ、懸念があった。
「本当に秦は15城を譲ってくれるのだろうか…」
所詮は口約束で、怪しい物であった。和氏の壁だけ取られる可能性もある。
しかし、断れば、其れを口実に攻め込まれる可能性もあった。
趙王は悩み、群臣に議論をさせたかが結論には至らなかった。
そして、ある大臣が王に云った、
「うちの食客に凄い男がいます。そいつに尋ねてみましょう」
それが藺相如である!
藺相如の登場
今回の記事の主人公になるのがこの人。
「藺相如」
主人である大臣が逃げ出そうとしたのを諫めて信頼を取り戻させた男でもある。
趙王は藺相如を呼び、尋ねた、
「どうすればいい?」
藺相如は答えた。曰く、
「趙は秦と比べて弱く、それ故に受けざるを得ません。しかし、ご安心を使者として私が秦に赴きます
もし城を受け取れなければ壁を全うして趙に帰ります」
趙王は藺相如の真っ直ぐ目と濁り一つない言葉を信じ、交渉役に抜擢。
こうして藺相如は体一つで大国秦に乗り込むことに!
国家の威信をかけた論戦
藺相如は乗り込み、秦王と対面した。
和氏の璧を秦王に渡すと、秦王はニタッと笑い😜
璧を持ち、寵姫や群臣に見せびらかす始末。
城のことを全く話すつもりない様子だ。
藺相如は「小さな傷があるので、お教えします」と璧を王から奪い取り、柱の方に近寄った。
そして、藺相如は冠を突き抜ける程に髪を逆立て、怒りの形相で言った (怒髪天を衝く‼︎)
「趙では庶民ですら欺くのを恥とするのに、まさか、大国である秦が欺く事をするとは! 秦王には憤りしかありません。
この璧と共に頭を柱で叩き割ってくれましょう!」
秦王は慌てて地図を取り出し、15の城について話すも、其れが場を取り繕う上部だけだと察した藺相如はこっそり従者に璧を持たせて帰国させ、自らは時間を稼いだ。
秦王に璧はどうしたのだと聞かれると
「秦王は約束を破りました。璧は既に趙にあります。
どうぞ私を死刑になさってください」
キッパリと言い切った藺相如に対して感心した者もいたが、死刑に処すべしと思ったら群臣も多かった。
しかしここで処刑しては王の器が下がる…
何より秦王は藺相如の豪胆な行いに感嘆した。
「藺相如よ、お主を殺した所で何を得られぬ。国に帰るがよい」
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こうして藺相如は璧を守り抜き、無事に趙国に帰還した。「璧を完うして帰る」!!!
藺相如は決して秦に屈しない趙の威信を示したのである
そしてこう言われた。
「完璧」