【書評】あなたはスマホ中毒かも? アンデシュ・ハンセン/「スマホ脳」

あなたが現在お手元に持っている“それ”をあなたは一日にどのくらい使っていますか?!

4時間?5時間?

嫌々、一日中使ってるという人も多いはず❗️

(かくいう私もそれで書いていますが…)

今回はそんな“スマホに日常生活を侵食された人に贈る!“スウェーデン出身の精神科医「アンデシュ・ハンセン」さんが書かれた本

スマホ脳」のご紹介!

_人類とスマホ_歴史の重み

人類はスマホ無しで文明を築いた!

車や電気、水道やテレビのある世界に生きたのは何世代だろうか?

・・・・・・・・(点8個分)

コンピューターや携帯電話、飛行機が存在する時代に生きたのは?

・・・(点3個分)

スマホ、フェイスブック、インターネットがあって当たり前の世界しか経験していないのは?

・(点1個分)


P26

まず、人類はおよそ20万年前に東アフリカに出現して文明を気付いたとされます。

その歴史の一世代を一つの点で表すと1万個の点になります。

その膨大な歴史の中で電気や車があった時代は一万世代の内、わずか8世代!

さも!スマホを持っていた人類の歴史などまだ僅か1世代でしかないのです!

  • 何が言いたい?

「うん、人類の歴史の深みは分かった。だが、何が言いたい?」と、思った人もいるハズ。

これに関しては本書はこう評しています、

「他の動物と同じく、私たちは環境に適応するように進化してきた。(中略)

一万個の世代のうち、9500個分の人たちは、狩猟採集民族として生きてきた。彼らの世界は、あなたや私が当たり前に思っている世界とは大きく異なる。

・当時は、50〜150程度の集団で暮らしていた。今では、地球上の人口の多くが都市に暮らしている

・当時は常に移動し、住居も簡素だった。今は同じ場所に何年、何十年と住む。

・当時生涯に会う人間の数は200人、多くて千人程度。出会う相手はだいたい自分と同じような外見だった。今は生きている間に数百万人に出会う。

・当時、全人口の半数は10歳を迎えずに亡くなった。今は10歳前に亡くなるのはほんの数%。

・当時の平均寿命は30歳たらずだった。今の(世界の)平均寿命は、女性が75歳、男性が70歳だ。

・当時の一般的な死因は飢餓、干ばつ、伝染病、出血多量、そして誰かに殺されることだった。今の最も一般的な死因は、心臓血管疾患と癌だ。

・当時は、生き延びるためには注意散漫で、周囲の危険を常に確認していなければいけなかった。今では注意散漫にならないのがよいとされている。昔のような危険はもうないのだから。

・当時は積極的に体を動かして食べ物を探さなければ、餓死する可能性があった。今では食料を手に入れるために一歩も動く必要はない。注文すれば、玄関に届く。

要するに、私たちはあの連なりの最後のたったの数千年で_いや、数百年かもしれない___周囲の環境を著しく変化させたのだ。
数千年というと永遠のように聞こえるかもしれないが、進化の見地から見れば一瞬のようなものだ。その結果、私たちは今とは異なった環境に適応するよう進化してしまい、今生きている時代には合っていない。


P33〜34

つまり、「人類の膨大な歴史の中では”スマホや電子機器“などのデジタル製品を使っていた世代は歴史の中では瞬き程度の時間しかなく、脳がまだ”狩猟採集民族“のままで適応出来ていない」

掻い摘んでみるとこんな感じでしょうか…(合ってるかな?)

「人間の脳は1万年以上前から進化していない」という説もある通り、今の”現代人”と“野生人”は見た目は違えど、脳の構造自体は一緒なのです🤔

_感情_ネガティブは悪?

さて、お次は人類を最も動かしてきた「感情」のお話。

もし人間に感情というものがなければ、シェイクスピアの不朽の名作を読んでも何も感じず、ダウンタウンのギャグで笑うこともないでしょう。

しかし、基本的に感情は「生き残るため」の手段と言えるでしょう。

ネガティブな感情はポジティブな感情に勝る。人類の歴史の中で、負の感情は脅威に結びつくことが多かった。

P39

そんな感情を操る「スマホ」は「現代のドラッグ」だと著者は評します。

「進化の観点から見れば、人類が知識を渇望するのは不思議な事ではない。周囲をより深く知ることで、生存の可能性が高まるからだ。天候の変化がライオンの行動に影響するのか。カモシカがいちばん注意散漫になる状況は?それがわかれば狩りを成功させられる確率が増し、猛獣の餌食になるのも避けられる。

周囲の環境を理解するほど、生き延びられる可能性が高まる___その結果、自然や人間に、新しい情報を探そうとする本能を与えた。この本能の裏にある脳内物質は何だろうか。もうお分かりだろうか。そう、

ドーパミンだ。

(中略)

今度は、あなたや私が生きる時代まで早送りしてみよう。脳は基本的に昔と同じままで、新しいものへの欲求も残っている。

それはパソコンやスマホが運んでくる、新しい知識や情報への欲求だ。パソコンやスマホのページをめくるごとに、脳がドーパミンを放出し、その結果、私たちはクリックが大好きになる。

しかも実は、今読んでいるページよりも次のページに夢中になっているのだ。

P71〜73

最後の文章はこの記事を書いている身としては世知辛い

哲学者アリストテレスは言いました、「人間は生まれつき知ることを欲する」蓋し名言です。「知りたい」と思うからこそ、人は文明を築き上げることができたといえるでしょう。

しかしながら、その「知りたい」という人間の根本的欲求が「スマホが与える新たな情報」によって”釘付け“になり、本来すべき「目的」に集中する事が出来なくなってしまうのでしょう。

はい、これでスマホ中毒の完成です😭

気をつけなきゃ…

_SNS_ 四面楚歌

さて、お次は、インターネットの発達によって”誰とでも社交を楽しめるようになった“

「SNS」についてのお話。

貴方はSNSをやっていますか?

SNSは誰とでも気軽に触れ合う事ができ、「誰かの行動を見ることや、その人の考え方を知れる」ことも容易です。それゆえに弊害が多いのもまた、事実。SNSで「誰かと比較」してしまい一喜一憂した人も多いのでは?

その、「誰かと比較」で戦わなければならない相手は多すぎるのです。

その数は数百万人から数千万人😱

貴方は数字だけ見ると、カエサルやナポレオンですら想定していなかったであろう相手と比べ競い合いの世界に身を投じているのです!
こりゃ勝つのは無理だわ…。

フェイスブックやツイッターのユーザーの3分の2が「自分なんかダメだ」と感じている。何をやってもダメだ_だって、自分より賢い人や成功している人がいるという情報を常に差し出されるのだから。

特に、“見かけ”は

P144

本書では「SNSを使うことで人生の満足度を上げているのか」という調査も取り上げ、その調査では「多数のユーザー」がネガティブな感情を抱いた事も判明しています。

ここで、老子の名言を一つ。

「足るを知る者は富む」

「人野の脳は悪い噂が大好き」

P130

それは自分が生き残るために必要な行為であり、ある種仕方がないことなのかもしれませんが、いかんせんSNSは「悪い噂」がよく目につくので、気分を害することも多いのでは…😅

SNSは良い側面もあるものの、悪い側面もあります。上手く使っていくことが大事でしょう。

_睡眠_人は睡眠を過小評価している

もう、これだけは言わせてください!

兎に角!現在人は睡眠不足です!

「寝てないアピール」をする愚かな者がいますが、睡眠の“メリット”を分かってないね!!

睡眠不足は人間の機能も低下させる。一日6時間以下の睡眠が十日続くと、24時間起きていたのと同じくらい集中力が低下する。

P119

睡眠は脳を休め、ストレスを軽減させる。尚且つ気持ちいい!一石二鳥どころではありません!三鳥いや、百鳥はくだらないでしょう!

しかしながら、スマホを寝る直前まで使ってはいけません!

「ブルーライトが脳を目覚めさせ、メラトニンの分泌を抑えるだけでなく、分泌を2、3時間遅らせる」

P122

寝る直前にスマホを使っていると脳が“昼間”だと勘違いして、気持ちのいい眠りを妨げるのです。

もうね、寝る前に目的もなくスマホをいじらず、兎に角寝ろ!!!

そして、自分の体を労ってください!

ワタクシもこれを書いたら寝ますので!!

_運動_スマホよりスマートな解決

と、その前に「睡眠」と並んで人類に必要な「運動」のお話!

すべての知的能力が、運動によって機能を向上させるのだ。集中できるようになるし、記憶力が高まり、ストレスにも強くなる。

P204

これを見て、分かる通り「運動」は「睡眠」にも引けを取らないメリットが盛り沢山。何かストレスがあった時、「スマホを触って悪い噂を聞く」か、「運動して、スマートに受け流すか」

一体どちらがクールでしょう!

因みに本書に紹介されている“私たちの祖先”は「化物」のような身体能力と肉体を誇っていました。しかしながら、現代人の体のコンディションは…💦お世辞にも良いとは言えないようです…💦

まとめ

心の不調を軽くみてはならない

P231

インターネットで齎させる膨大な情報のせいで逆に人は迷い、鬱になる人も多くいます。しかしながらインターネットは時に人の命を救い、素晴らしい物を見せてくれることもまた事実。

最後に本書で紹介されているデジタル時代のアドバイスをどうぞ!

自分のスマホ利用時間を知ろう

一日何度スマホを手に取り、どのくらい時間をかけているのかを把握するために、アプリを使ってみるといい。そうすれば、スマホに奪われている時間が一目瞭然だ。自分を知ることが、変化への第一歩となる。

いかに、このスマホをうまく使っていくのか、それは結局貴方次第でしょう。

アンデシュ・ハンセンさんの著書「スマホ脳」は目から鱗な情報が盛り沢山なので、貴方も是非一読をッ!

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