
今回は恋を患い、放火事件を起こした少女「八百屋お七」のお話。
天和の大火と八百屋お七
- お七とは?
「お七」とは江戸に住む16歳の少女。
「どこかにいい人いないかしら…」
恋に悩むお年頃。
そんな折、理想の男性とついに出会った。それは突然の出来事だった。
- 天和の大火
1683年1月25日に江戸時代は大火に見舞われた「天和の大火」
地獄の様な業火、逃げ惑う人々、死者数はおよそ3500人。まさに残状であった。
お七の家も燃え、一家は正仙寺(吉祥寺、円乗寺説あり)に避難した。
家が焼失して、寺に避難…とんだ災難。だけど、お七は燃えていた。別の意味で。寺にいた美少年の小姓に一目惚れしたのだ!
小姓も満更ではなく、二人は恋仲になった。
不幸が産んだ幸せ。
「この時間が永遠に続けばいいのに…」
が、お別れの時が来た。家が建て直されたのだ。母は優しく諭した。
「家に帰ろう」
____お七は小姓と別れた。
恋はメラメラ燃える
「はぁ…」
お七の胸の中は小姓でいっぱいだった。
「もう一度会いたい」
想いは募る…、そしてある考えに辿り着く
「家を燃やしたらまた会える」
?!
何処ぞのサイコパス診断の様な事を起こしたのだ!
少女の最後
こうして家を燃やしたお七は逮捕され、
火炙りにされた。
見物人たちは驚いた事だろう。火事を起こそうとした者がどんな大悪人だと思っていたら、まだ年端も行かぬ少女だった…。
芸術として
この恋に焼き尽くされた少女は大いに注目を集め、井原西鶴「好色五人女」馬場文耕「近世江都著聞集」などの文学作品、歌舞伎、文楽などで取り上げられる事も多い。
