
今回は「ツァボの人食いライオン」についてのご紹介。
経緯
1893年3月から12月にかけて起こった獣害事件。イギリス領東アフリカツァボ川で事件は起きた。
ウガンダ鉄道の建設を進めていたイギリス。パターソンという人物が現場総監督に着任した。
インド人などの労働者を使い、工事が着工された。
工事は順調に進んでいたのだが、不可解な事が起きた。
労働者が一人、一人と消えていくのだ。
「何事だ?」
「噂じゃ、ここら辺には腹を空かせたライオンがいるらしいですぜ」
「馬鹿を言うな」
パターソンは最初はその様な噂を信じてはいなかった。
ライオンが現れた!
三週間ほどした後、テントが何者かに襲われた!
翌朝、パターソンが残された血溜まりと追っていくと…ライオンの足跡と遺体があった。
遺体は二頭のライオンが引っ張りあった様な凄惨な物であった。
パターソンはライオンの仕業だと確信した。
その後もライオンはテントを襲撃して労働者を連れ去っていた…。
この状況を見兼ねたパターソンはライオンを撃退する事を決めた。
vs人食いライオン
- 一回戦
“ボラ”という茨で出来た垣根を作り、キャンプ場に張り巡らしたがライオンは突き破り侵入。
そろり、そろりと忍び寄り、パターソンと医療を担当していたのブロック博士目掛けて飛びかかって来た!
「ライオンだ!」すぐさま発砲した。ライオンは逃走。
これが最初の直接対決となった。
一頭目の撃退
その後もツァボのキャンプ場に現れては人を食って回る人食いライオン。パターソンは援軍を要請するも駅員もビビって籠る始末!
「なんとしてでも退治しなければ…」
ロバを餌に、ライオンを誘き出して撃退することに。
この時パターソンはたった一人で戦いに挑む事になる。
二時間にも及ぶ睨み合い、静寂、極度の緊張に耐えたパターソンは狙いを定めてライオンを射撃。
ライオンは鈍い唸り声を上げて、静まった。
翌日、確認してみるとライオンは死んでいた。
二頭目の撃退
残るはあと一頭。
残されたライオンは鉄道監督官を襲い掛かったが、失敗。二匹のヤギを襲い空腹を満たした。
「ヤギ…か」
パターソンはヤギを餌にして、待ち伏せをして、発砲した。
「撃て!」
ライオンは呻き声を上げて逃げた。辺りには血溜まりができていた。
その後も何度か襲撃が繰り返された。
そして林の中に逃げたライオンを追撃。姿を見つけては一斉射撃をした。
ライオンは最後の抵抗と言わんばかりにパターソンに飛び掛かった、その瞬間______
ライオンは事切れてた。
こうして二頭のライオンを撃退して、工事を再開させたパターソンはこう讃えられた。
「マバラク(救世主)」と
なんで人を襲ったの?
このライオンがいつから人を襲っていたのか?何故人を襲ったのかは不明。
一説には「歯の疾患により、大きな獲物を襲えなかった」
大自然と人間の衝突______一概にどちらが悪いとは言い切れない。
この事件を題材にした作品は多く、映画「ゴースト&ダークネス」、小説「人喰鉄道」などが作られた。気になる人は是非一見を。