
今回は落語「まんじゅうこわい」についてのご紹介。
題名でわかる。おもろいやつやん。
こわいわぁ、めっちゃこわいわぁ(チラッチラッ
ある所に若い者が集まって、自分が「怖い」と思うものを言い合っていました。
「俺は蛇は怖いよ、あの細長い体〜うぅ〜考えただけでも寒気がするぅ」
「俺は蜘蛛が苦手だよ。あぁ〜考えただけでもゾワゾワするよ」
その中のある男がいいました。
「よぉよぉお前らは意気地なしだ。そんなのちっとも怖くねえや。俺なら蛇なら鉢巻きして、蜘蛛なら納豆に入れて食っちまう。どうだ、俺に怖いモンなんてねえだろ」
ほぉ、と感心する他の者たち。
「本当に何も怖くないの?」
ある者が尋ねました、男は少し考えて、云いました。
「あ、いやあ…忘れてた。俺には怖いものがある。
それは“まんじゅう”だ。あぁ、考えただけでも恐ろしい」
そう言って逃げるように隣の部屋に行ってしまいました。
(成程まんじゅうが怖いのか、ちょっとイタズラしてやろう)
男たちはまんじゅうを買ってきて隣の部屋に投げ込みます。
(どうだ、まいったか)
隣の部屋からは唸り声が聞こえました。
「嗚呼、恐ろしい、こんなものは食ってしまおう」
パクパクと食い始めました。
怖がってると男たちは思いましたが、見ているうちに違和感を覚えました。
(あれ、そんなに怖そうじゃない)
まんじゅうを食っている男はつい口が漏れました。
「怖い怖い、これは美味すぎて怖い」
…
しまった!
いっぱい食わされました。
「おい、お前、俺たちを騙したな。
お前の本当に怖いものはなんだ」
「...お茶が“一杯”怖い」
感想
最後まで“こわいもの”を貰おうとする欲深さ、滑稽ながらもとんちの効いた嘘つき男が魅力的です。
つい”一番“を“一杯”と言ってしまう可愛らしい一面も笑