
グロいけど面白可笑しい演目「首提灯」についてのご紹介!
あらすじ
ベロベロに酔っ払った男が遊郭に行こうと、フラフラした足取りで向かっていました。
「一寸、其処の者。道を尋ねたい」後ろから声を掛けられ、振り返るとそこにいたのはお侍。
「麻布には、どう行けばいい?」
酔っ払い男も侍が相手だけあって最初はたじろぎましたが、侍の口調には訛りがあり、言葉遣いも辿々しい。(こいつは田舎者だ)
「おい、侍さんヨォ、アンタァみたいな田舎者に教える義理なんてねえよ」酔いも周り、どんどん饒舌になっていく酔っ払い男。やめとけやめとけ。
侍はムッとしながらも、流石に酔っ払いの戯言だと思い、穏便に済ませようとします。が、これを見て漬け上がった酔っ払い男。
「分かったら、とっとと帰れ、田舎侍が!」ペッと痰を侍に向かって吐き掛けました。
「もう辛抱堪らん」
侍はとうとう激怒(そりゃそうだ)!目にも止まらぬ速さで居合い抜き。本当の達人です、酔っ払い男は斬られた事にも気付きません。
「ふん」酔っ払い男は歩き始めました。
…
「あの田舎侍めっ」まだ愚痴る酔っ払い男。
(なんか…変だな)
声は喉から漏れ、
首がだんだんズレてきます。
酔っ払い男が首を触ってみると、べっとりと血がついていました。
普通の人間なら驚愕する事でしょうが、酔っ払い男は「あぁ、斬られたかぁ。まぁ後でくっつければいいや」と軽口を叩き、気にせず歩いて行きます。
近所で何やら家事が起きている様でした。既に大量の野次馬がいます。
(よし、見てみるか)
男は首をヒョイっと取り、提灯の様に持って、「ごめんよ、ごめんよ」と道を掻き分けて行きました。
お前はもう死んでいる
感想
「首を提灯にする」
文章だけ見れば、かなりグロいですが、この酔っ払い男のキャラも相まって“猟奇”を通り越して“滑稽”になっているなんとも可笑しい話です🤣
また、余談ですが、ONE PIECEの「ブルック」が使う「鼻唄三丁矢筈斬り」はこの凄腕侍の剣捌きが元ネタです。
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