【長野民話】キジも鳴かずば【日本昔話】

「キジも鳴かずば撃たれまい」ということわざの由来になった悲しいお話のご紹介!

あらすじ

信州のお話です。

犀川の近くに貧乏な村がありました。お菊という娘は父親と二人で暮らしていました。

窮困極まる生活。とうとうお菊は重い病にかかってしまいました。勿論医者を呼ぶ金などありません。

「おとう 苦しいよ」

「お菊…医者は呼べねえが、何か食わせてやる。何が食いたい」

小豆まんま(小豆が入ったごはん)が食べたいよぉ」


小豆も米も買う金はありません。しかし、息絶え絶えになりながらも頼んでくる娘。

(もしかしたら最後の飯になるかもしれない)

「待ってろ、一寸買ってくる」

父は覚悟を決めました。娘のために地主の蔵に忍び込んで米と小豆を盗んできた食べさせたのです。その甲斐あってお菊は回復しました。

そして、庭で遊んでいたお菊はつい歌を歌ってしまいます。

小豆まんま食べた

地獄耳はどこにでもいるものです、すぐに噂は広まりました。

その夜、雨が激しくなり川が氾濫を起こしました。

(こ、これは神様のお怒りじゃあ)

村の人々は話し合って“人柱”を立てることに。

(あいつじゃ)お菊の父は“盗み”を口実に引っ立てられました。

「捧げろ、この罪人を」

お菊のお父さんは人柱として生きたまま埋められてしまいました。

お菊は父を失った悲しみ、後悔から涙を流し続けました。そして、ピタリと口を閉ざしました。

それから何年もの時が流れた。

パァン!と銃声が響き、キジは地に落ちました。お菊は血塗れのキジを抱きかかえて、初めて喋りました。

「キジよ、お前も鳴かずば撃たれなかったろうに」

感想

「食べ物に困っている時代」に“盗み”を働いたとなれば只では済まなかった。

盗みは勿論良いことではないけど、娘を思いやる親心から来た悲しいお話。

鳴いて撃たれたキジをつい歌を歌って取り返しのつかない事をしてしまった自分に重ね合わせたのでしょう😭

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