戦国時代を除いた、日本史の人物の最期の言葉、辞世の句をまとめてみました。(諸説アリ)
人は、最後に何を云うか_
ヤマトタケル
大和は国のまほろばたたなづく青垣山ごもれる大和しうるはし
「大和はなんて素晴らしい国なんだろう。山は連なり、とても美しい」
伝説的英雄、ヤマトタケルの最後の言葉とされる。
この“大和”とは日本若しくは近畿地方のことを指す。
蘇我入鹿
臣(やつこ)、罪を知らず。乞ふ、審察を垂れたまへ
「一体私が何の罪を犯したというのでしょう?どうか、教えてください」
蘇我入鹿は悪いイメージもあるけど、日本を思う気持ちはとても強かったの…。
🐬
小野小町
あはれなりわが身の果てや浅緑つひには野辺の霞と思へば
「なんて哀れなんだろう、私が死んだ後、亡骸は煙になり、いずれ霞になってしまうのだろう」
世界三大美女、小野小町。
だがその美貌も死んでしまえばただ朽ち果てていくのみ…。
紀貫之
手にむすぶ水に宿れる月影のあるかなきかの世にこそありけれ
「私の命はまるで、手に掬った水に映る月影の様な、儚い命だ」
紀貫之は古今和歌集の選者で、日本を代表する歌人です。
所詮命は早いか遅いかの違い、だが詩は後世に残ります!
土方歳三
よしや身は 蝦夷が島辺に朽ちぬとも 魂は東(あずま)の 君やまもらむ
「例え、ここ(蝦夷)で朽ちようとも、魂は我が主君を守るだろう」
この、“東の君”は幕府を指すのか、天皇を指すのか、将又家族や共に戦ってきた隊士を指すのかは諸説あり。
最後まで、徳川家に忠義を尽くす、土方歳三の生き様はとても格好いいですね。
乃木希典
うつし世を 神去りましゝ 大君の みあと志たひて 我はゆくなり
「天皇は先に行ってしまった、扨、私も行くとしよう」
日露戦争の軍神、乃木大将は明治天皇と共に…。
夏目漱石のこころにもあるように、乃木大将の殉死とは“明治精神”の終わりだったのでしょうね。
東條英機
さらばなり有為の奥山 今日越えて 弥陀のみもとに 往くぞうれしき
「さらば也。嬉しいぞ、仏様の世界へ行くのだから。」
(他にもあり)明日よりは たれにはばかるところなく 彌陀のみもとで のびのびと寝む
「明日から誰にはばかる事もなく、仏様の元でのびのびと寝る」
第二次世界大戦、日本の首相であった東條英機。
A級戦犯とされ、処刑されます…、
賛否、別れる、そんな人ですが、必死に国の事を思ったことは確かだと思います。
三島由紀夫
益荒男が たばさむ太刀の 鞘鳴りに幾とせ耐えし 今日の初霜
「今日という日の為に、耐えてきた、さあ太刀を抜くぞ」
日本を代表する文豪、三島由紀夫。
その最後はあまりにも有名。惜しい哉、残した“作品”よりも最後が有名になってしまった人だと思う。