始皇帝の死後、項羽と劉邦という二人の英傑がが覇を競っていた「楚漢戦争」の時代。
圧倒的な武力を持つ「項羽」に対して、常に敗戦を続けていた「劉邦」
そんな劉邦を最終的に勝利へと導いた男。
彼は名臣「蕭何」からこう評された
「国士無双」
漢の三傑の一人、「韓信」の生涯を綴ります!!
貧乏生活
韓信の生い立ちは家も貧乏で、定職にもつかず居候をし、ニート同然の生活をしていた。有体に言えばダメ人間であった。だが兵法の勉強は好きで常に戦術や作戦を考えていた。未来の為に。
そんなある日とうとう居候先から追い出された❗️
路頭に迷う韓信
「飯…飯をくれ…😨」
バタッ!ついに韓信は倒れた!
「俺の一生はこれで終わりか…。嗚呼なんと無意味な人生だったんだろう」
つおにぎり
「!?」
「お食べ」韓信を見かねた、お婆さんがおにぎりをあげた。韓信は急死に一生を得た。
韓信は夢中で食べた。
「婆さん、感謝するよ!俺、いつか恩返しするよ👍」
お婆さんはため息をついて言った。「アンタが可哀想だから恵んでやっただけのことだよ、お礼なんか望んじゃいない。」
「いや、絶対お礼する!いつか!俺は王様になるから!そしたら婆さんに恩を返す!」
韓信は一礼をしたあと、走り去っていった。
- 股くぐり
また、或る日
ぶらりぶらりと韓信は歩いていた、そしたら声をかけられた。
「おい、てめえ!!😤」
振り向くと、そこにいたのは村のチンピラであった。
(面倒くさいのに絡まれた…)韓信は思っただろう。
「韓信!てめえはいつも“使え”もしねえ癖に刀を持ち歩いてるな、調子に乗ってんじゃねえぞ!てめえは臆病者だ!違うんだったらこの俺のことを刺してみろよ!出来ないんだったら俺の股をくぐって先に進め!俺を刺せるか?韓信ちゃ〜ん(☝︎ ՞ਊ ՞)☝︎」
韓信はじっとそのチンピラを見つめた
そして這いつくばって股をくぐった。それを見ていた周囲のものは韓信を大いに笑った。
…韓信の目には涙が滲んでいた🥺
(いつか…いつか…こんな奴らを見返す位凄い男になってやる。こいつを斬って俺の夢を壊すわけにはいかないんだ…恥は一時、志は一生…)
韓信は自分に言い聞かせた。
転機
始皇帝の死後、各地で反乱が勃発!
韓信は身を立てるチャンス到来、と言わんばかりに当時力をつけていた、項梁次いで項羽に仕えた!
韓信は項羽に何度か策を提案した。
しかし項羽はそれを一蹴。「五月蠅い」と怒鳴られた事もあった!
「この人の下じゃ大義を果たす事は出来ない…」
韓信は項羽の元を去った。ぴえーん🥺
…もしここで項羽が韓信の策を聞いたり、重宝していれば歴史は変わったと思う。項羽と韓信のコンビというだけで恐ろしい事この上ない。
そしてもう一人の雄、漢の劉邦の元へ…
だがここでも重用して貰えず、つまらない日々を送っていた。
ヤケになったのかは知らないが、罪を犯し処刑されかかったこともあった。夏侯嬰という劉邦の重臣に何とか助けられたが。
韓信はどうにかして劉邦に取り入って策を聞いて欲しかったが、劉邦はそれでも韓信に対して興味を示さない。
そんな中、韓信は一人の重臣と語り合うことが出来た。“蕭何”であった。
(蕭何か…俺は張良とか、曹参とかの方が話が合いそうだが…)内心そう思っただろう。蕭何は前線で指揮を取る男ではなかった。
だが蕭何という男は物腰柔らかで、落ち着いており。韓信の話を頷いて聞いてくれた。思わず韓信は全て吐き出した、今まで考えに考え、溜め込んできた自分の戦術、戦略を。
そして…蕭何は韓信の才能を認めた。蕭何という男、政治力も勿論だけどこういう、人を見る目もあった、本当に凄いと思う。
国士無双
蕭何は劉邦に韓信を推薦するも、またも重用しない。なんでやねん。
そんな折、兵の逃亡が相次ぎ、もはやこれまで…韓信も逃げ出した!!
(やってられるか!!)ヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3
だが追いかけて来た男が一人、“蕭何”だった。
「待て、信❗️今の漢にはお前が必要だ❗️もし沛公がお前を認めなかったら、私も漢を捨てる!戻ってくれ!」
ジーン…😢。韓信は戻ることにした。
戻って来た時、劉邦は蕭何が逃げだしたと思い、怒っていた。
「蕭何!お前なんで逃げた?!💢」
「逃げたのではありません、私は韓信を連れ戻しに行ったのです」…劉邦は怪しげに蕭何を見つめた😒
「いいですか、沛公。もし天下を取りたいなら韓信を重用なさいませ。韓信の才は国士無双ですぞ!」
其れを云われた韓信は蕭何の顔をマジマジと見つめた。
国士無双…天下で最も優れた男。最高の褒め言葉であった。
「…お主がそこまで言うなら、信じよう!韓信を大将軍に任ず!」こういう思い切りの良い性格は項羽にはなかった。
「沛公、感謝する。項羽はヒップのyou 沛公は項羽と逆のことをすれば良い。 指揮は俺に任せよ👍」劉邦は韓信を早速試した。その指揮は見事であった。
嘗ての秦の名将“章邯”を水攻めで破り、劉邦と共に兵を集め、項羽の本拠地を攻めた。その数56万。だが所詮は寄せ集め、韓信の指示を聞かない、烏合の衆であった。
大将軍 韓信
項羽が帰って来た!「何しとんじゃわりゃああああああああ💢」覇王の怒りは天を揺るがし、地を焦がした。浮き足立つ連合軍、その余りに脆弱な、壁というにはあまりに脆弱な物を項羽は一撃で全てを打ち砕き、二撃で全てを灰に帰した。大惨敗であった。
張良、韓信は兵を集め、劉邦を助けた。劉邦にとってはさぞ頼もしかっただろう❗️。
「沛公、逃げろ、あとは俺に任せろ。」漫画でもこんなベタな台詞は吐けないだろう。実際言ってはいないだろうが笑
項羽と韓信は睨み合った。
(韓信…あんな小人が裏切ったところで何だというのだ)そんな気持ちが無くはなかっただろう。
睨み合いが続き、楚軍は一旦身を引いた。無論恐れたからではなく、補給面での問題だった。
韓信は劉邦と合流し、ある提案をした「沛公が項羽と戦ってる間に私が諸侯を平定し、その後項羽を討ちます。」_____良策であった。だが現実は厳しい。諸侯はバラバラになり、漢軍だけでは到底無理だと劉邦のみならず臣下は思っただろう。
五国平定
劉邦は重臣である曹参、張耳らを供回りに付けた。
まず魏を平定するため韓信は囮の船を偽装し、渡るように見せかけて、魏の都を急襲!慌てて戻ってきた魏王を捕まえた❗️キャーッチ!魏、平定!
そのまま北上し次なる目的は「趙」であった。
この戦いで韓信は後世に残る“奇策”を繰り出す❗️
- 背水の陣
趙軍、20万に対し漢軍はたった3万、まず正兵では勝ち目なし。ここは将の戦術にかかる…
そして韓信がとった策とは…まず兵を二つに分け、片方の軍には…
川を背にして戦う
趙軍は韓信を“兵法”を知らぬ愚か者と嘲笑ったことであろう。趙軍は一気に攻めかかった❗️

…は?それじゃあ逃げ場がないじゃん❗️
…逆に考えるんだ「逃げちゃダメだ」と…
はい、これぞ「背水の陣」
逃げ場のない漢軍は死に物狂いで戦い粘りに粘る!
その間にもう片方の軍が趙の城を奪取❗️旗を靡かせた。漢の旗、多し。
趙軍は慌てて城に戻る❗️だが挟撃を受け敢えなく敗退。韓信の用兵は見事としか言えない。
韓信の躍進を聞いた燕国は戦わずして降伏した。
- 斉攻略
次なる目的は斉国。だが既にレキ食其という儒者が降伏を進めていた。
韓信は蒯通という部下に言われ斉を攻め、安易に落ちた。斉。
- vs楚軍 嘗ての因縁
快進撃を続ける韓信、その報を聞いて憤りを覚える男がいた、覇王・項羽であった。
「ガキが…舐めてると潰すぞ…」
楚軍が韓信討伐に本腰を挙げた。項羽は自身の右腕「龍且」に韓信征伐を命じた。その数20万。
「韓信…あの程度の男一捻りだ。」
龍且は腕っ節に優れ、項羽ほどではないが充分過ぎる程の武力を持っていた。龍且は韓信を見縊っていた、そりゃそうじゃろ。楚にいた当時、韓信と龍且は部下と上司。手が届かない、そんな存在であった。
韓信と龍且は対峙した。韓信は逃げるように竜且に背を向けた。
「矢張り、あの男は所詮臆病者よ❗️🤣」
韓信はいくら罵倒されようとも苦ではなかった…あの時の屈辱に比べれば。
龍且は韓信の背を刈り取るように追って行く。
(そろそろ頃合いか)
「今だ!堰を落とせ❗️」一斉に楚軍に向かって水が流れ込む。20万の楚軍は流され、綺麗さっぱりいなくなった。龍且はそれでも諦めず僅かな供回りと韓信の首を取ろうと突撃するが、矢を受け針鼠の如く討ち取られた。
王と覇王
名実共に項羽に対抗し得る男と言えば間違い無く劉邦では無く、韓信であった。韓信は劉邦から斉王に任じられた。
蒯通は言った「劉邦を裏切り、天下を三分し、両者が弱った所を漁夫の利を得る。如何ですかな?」…韓信は悩んだ🤔 塾考を重ねた末出た結論が劉邦を裏切らない(助けるとは言っていない)ことであった。
- vs項羽
劉邦は敗走を続け、持久戦の末項羽の背後を突くが又も敗走。韓信に助けを乞う。だが来ない。褒賞をやる事にした。来た。
満を持してやってきた韓信。30万という大軍を引き連れて。
韓信と項羽は対陣した。稀代の名将である二人は激闘を繰り広げた。だが数で大いに劣る項羽はジリジリ押されていった。
項羽は城へ引いた。続々と集まる漢軍に取り囲まれていた。四方から歌が聞こえる、楚歌であった。韓信の策とも、張良の策とも言われる。諸説あり。負けを悟った項羽は突撃し、最期を飾った。ここに楚漢戦争は終わった。
忠義と野心の狭間…
- 故郷に錦を飾る
劉邦は天下を統一し、韓信は故郷の王に封じられた。そして…返す時が来た…
「婆さん…😢俺やったよ。」
「アンタ…大きくなったね」
韓信は恩返しと言わんばかりに大金を老婆に授けた。
次に呼ばれたのは韓信に股をググられたチンピラ。内心ビビっていただろう。まさか王になるとは…打ち首にされてもおかしくないと思った。
「久しぶりだな」韓信の声は優しかった。
「お前があの屈辱を与えたからこそ…今日の俺がある…中尉に任命する❗️(警察署長のようなポジション)」意外だった。チンピラが一番驚いただろう。
次に居候していた亭長を呼びつけた。さぞ大金を貰える事だろうと期待したに違いない。
「世話するなら最後まで面倒みろや( *`ω´)」
与えたのは、はした金だった。
- 野心
天下を取った劉邦は疑心暗鬼になっていた。
何故なら軍事においては韓信や英布、政治においては蕭何など。劉邦より能力のある人間は沢山いた。共に戦ってきた仲間たちを疑うようになってしまった。悲しい哉。権力を極めればこうなることもある。
そして劉邦は難癖をつけ韓信から指揮権を奪った!。それ以降韓信は引き篭もるようになる。
- 狡兎死して良狗烹られる
劉邦にとって韓信は、有体に言えば怖い存在になっていた。軍事において、絶対に勝てる相手ではない。謀反されたら…。その前にいっそ…
韓信自身も劉邦に「愛想を尽かした」という言い方は適切だろうか??、だが劉邦からの手打ちはあまりに非道い。ならば、いっそ…。
思考は交錯した。悲しい哉。この時、既に君主と臣下ではなかっただろう。
呂后(劉邦の奥さん)は一計を思い付く。この人も中々悪女。蕭何を使い韓信を謀殺することであった。あらら…
韓信は個人的に蕭何の事が好きだったであろう。なんせ自分を推薦してくれた男だ。
韓信は蕭何から呼び出しを受け、何の疑いもなく行ってしまい、韓信はそのまま捕らえられて処刑された。劉邦の想いは複雑だっただろう。
個人的に
中国史 いや、世界史上でもトップクラスの名将「韓信」
劉邦と韓信 お互いどう見ていたのだろうか。
司馬遷はもし韓信が“無難”な道を行っていれば太公望や周公旦のような忠臣として評されていただろう。
後世でいえば李靖や徐達のような“建国の功臣”として…惜しい哉。
同じ時代には西でハンニバルとスキピオという名将達が凌ぎを削り、東では項羽と韓信が相対す…恐るべしb.c202年((((;゚Д゚)))))))