時は紀元前中国、
ある男が夢を見た______________
それは自分が蝶々になる夢であった。余りにもリアリティ溢れる、そんな夢であった。
男は夢から覚めた。そして思った「この世は夢か現実か…将又。」
後の世にこう評される、表の儒学、裏の“老荘思想”
ざっくりと綴ります。
“すべき”への反対
ある人が言った「貴方はこうすべき」
それを見てある人はまた言った「貴方はこうあるべき」
教えは素晴らしかった、親を大事にしろ、年長者を敬え。
“こうあるべきだ” 目標、道標、気高く、そして厳しい道のり。須く、人はかくあるべき。
ある意味今の自分への”否定“
それに対して
ある人は言った
「貴方は貴方のままでいいのだよ」”無為自然“それが最も。
後世、弱者の思想そう云われる事もあった。
だが常に人々の心に安らかさを与えた。
老子と荘子
この思想は“老荘”と一括りにされることも多い。
老子は諸説ある、実在したのかも分からない人物。荘子は老子の思想を受け継ぎ、分かりやすく、寓話などを付け加えました。
思想的には、老子が「国家論」が多いのに対し、荘子は「個人主義」的な所が多いですね。
共通しているのは「道(タオ)に身を委ねよう」
超ざっくり要約すると、
「人の欲とか世俗とかちっぽけな存在より自然に生きようぜ」
これに尽きます。
道を為せば日々損をする…

老子の教えにこう云うものがあります。
爲學日益、爲道日損。損之又損、以至於無爲。無爲而無不爲。
取天下、常以無事。及其有事、不足以取天下。
要約
「勉強をすれば、得になるだろう、だが道を学べば損をする」
…え?!
損するの!?
そう思うだろう。だが老子は続けた。
「損をすれば、欲がなくなる、そして何も為さない所まで無為になる、憂いもなくなる。」
まさに逆転の発想…人は得をしたいが為に、日々勉強をし、努力をする、だが辿り着く先は競争、妬み、貧富。
そこに老子が一喝
「そんな生き方、面倒じゃろ」
そして続けた
「例えるなら、水、そんな生き方ができたら良い、水は争うことがない、身を下に置き決して主張などしない、それ故に、誰にも傷つけることが出来ないのじゃあ!」
誰とも戦わない、それを人は“弱者”と呼ぶのだろうか?
いや、誰とも戦わない、これこそまさに無敵。そう言えるのではないだろうか。
万物は皆同じ

その後、老子をリスペクトした男「荘子」
この人は老子と違い、書く気満々だった。
それ故に寓話などとても面白い。
その中でも特に特出すべきなの「万物斉同論」であろう!
男達が言い争っていた。「お前は悪だ」「お前は馬鹿だ」「お前はブスだ」「お前は卑しい」
何処にでもある、対立、比べ合い。
荘子は鼻で笑った
「それって何基準なの🥱」
男達は驚いた、
荘子は続けた
「そもそもお前らの言ってる善悪とか、美醜とか、大小とか全て思い込みだから笑」
美醜も善悪も人によって異なる、そもそも境界線を引くこと自体がナンセンス
何故なら万物は全て同じなのだから。
最早言葉で表すのも不可能なスケールの大きさ、それも老荘思想の魅力の一つですね。。
- 胡蝶の夢
荘子はこうも云った「そもそもこの世も現実か夢か、其れすらも証明できねーから!!」
これは有名な寓話
「胡蝶の夢」である。
____________________________私は蝶の夢を見てる人間か将又、人の夢を見ている蝶か。______________
敗者の思想?
いいえ、“強弱”その境界線すら超える
東洋が誇る哲学
それが「老荘思想」
何かに疲れた時きっと貴方を癒すでしょう。
最後に老子の言葉を一つ
「知足者富」